ボクはどんぐりがえる。
どんぐりがえるは種族の名前だから基本的に名前はないかな。
今日も森をころころ転がってる。
人間はこの姿がかわいいっていうけど、これも立派な敵から逃げるための訓練だ。
自然界は弱肉強食だからね。
でも今日はいい天気だ。
何かいいことありそう!
「あら、どんぐりがえるさん」
「ケロッ?」
転がっていると柔らかい雰囲気の人に出会った。
あ、アコール先生だ!
あれ?いつもつけているぬいぐるみがない?
「突然だけど、ホポイを見かけなかったかしら」
「ケロッケロロン」
「分からないのね。ありがとう教えてくれて」
アコール先生はなぜかボクの言葉を理解できる。
今は素直に分からないと答えたんだ。
にしてもアコール先生が持ってるあの釘が刺さってるバット何に使うんだろ。
…まあいいや、池に行ってみよう!
「ケーロケーロ♪」
ふふん!このボクの転がりにかければ池まであっという間さ!
うわっとと、池に入る前に敵を確認しなきゃ。
………どうやら大丈夫みたいだ
よーし!飛び込みっ!
「ケローン♪」
「あっケロティ兄さん!」
ん、この声はいつものあの子。
この子はボクをどうしてか生き別れの兄だと思っているんだ。
まあいじめられないし、よく遊んでるからボクはこの子が好き。
「水浴び?気持ち良さそうだね!」
「ケロロンッケロッケ!」
「あたしも入りたいなあ。でも濡れると怒られるからやめとくよ」
人間は水に濡れるのをなぜか嫌がる。
多分服、とかいうのが濡れるのがいやなのかな?
だったら着なければいいと思うんだけど。
「じゃあね!ケロティ兄さん!」
じゃあーね。
ふう、静かだ。
…水が気持ちいい。
「うふふ」
「ケロッ!!?」
な、なんだ!うわわっ降ろして!誰だボクを掴んでるのは!
「魔法薬の材料にどんぐりが100個必要ですの。このどんぐりなら手間が省けそうですわ」
なんだって!?ボクのどんぐりを取るの!?
そうは死んでもさせてたまるかあ…!!
このどんぐりはボクの大事な大事なものだ!
「ケロケロ!ププーッ!!」
「きゃあ!ちょっと暴れないでください!」
いやだってば!どんぐり掴まないでー!
「もう少し…あら?」
遠くの方で水が揺れる。
…この水音、まさか。
「ガバアアァ!」
やっぱり水ヘビだーーー!!
命の危機!に、逃げないと!
「ケロケローーー!」
力の限り暴れるとすんなり腕から抜け出せた。
今のうちに逃げ…あれ?
「なんて大きい大蛇…」
「ハシャアァァア」
ちょっと!そいつは危険だから早く逃げないと…
「その見事な皮と鱗…凛々しい目玉」
「フ、フシャッ?」
え?
「魔法薬としては充分な大きさですわ!あなたをよこしなさーい!!」
「ファッヒャアアァ!!」
…生まれて初めて水ヘビに同情できたよ。
無事は祈らないけど、今後あの女も敵の一つとして警戒しておこう。
と、いつの間にやら洞窟に来てしまった。
水晶が光ってるこの洞窟は綺麗でボクのお気に入りの場所の一つだ。
でも…確かここって…
「どんぐりがえるじゃないか?」
「ゲコッ」
うわ、やっぱり出た。
この人はここを住みかにしてる変わった人間だ。
何かにつけてボクを捕まえようとしてくるボクの天敵の一つだ。
「今日はどうしたんだ?お散歩か?」
「ケロン」
残念ながらこの人にはボクの言葉が通じない。
でも一応お散歩をしているとは答えておく。
「やっぱり可愛いなぁ…」
「ケロッ」
嫌な予感。
ボクの野性の本能がそう告げている。
「お前が…ほしいっ!!」
「ケロ!ケロロー!」
「さあ、こっちにおいで」
いきたくない!全力で近寄りたくないよ!
「シェゾ!また誰かに迷惑な発言してるの!?」
な、なんか知らないけど誰か来てくれた。
栗毛の少女だ。このヘンタイさんとお知り合いかな?
「違う!俺は…こいつがマジで欲しいのだ!」
「ふぇっ…カエル!?シェゾ…ごめんその趣味はボクもちょっとフォローできないというかなんというか」
「何を勘違いしてるんだ。俺はこの愛らしいカエルに毎日歌を歌って癒してもらいたいだけだ」
それはそれで嫌だ。
ボクはよく歌を歌うけど歌を歌うのは趣味だ。
そもそもこんな人と四六時中いるのはお断りしたい。
「でも、この子嫌がってないの?」
「そんなことないぞ。なあどんぐりがえる?」
「ケ、ケロ…」
あ、愛なのかこれは…だとしたら重たい。
ここは三十六計逃げるに如かず!逃げるぞ!
「あっ!逃げてしまった…」
「ほら、どんぐりがえるのポーチなら買ってきたから。
この間これ見て感動してたでしょ?だから今後追いかけ回すようなことやめなよ?」
「………っっ!!!」
―――――
ふぅ…ボクは普段逃げてばかりだけど今日は特に逃げたな。
おかげでまた転がりテクが上達したような気がする。
でもコロコロころりん転がるのはボク達どんぐりがえるの仕事!
明日もいっぱい転がるぞ!!
…できれば魔法薬の材料になったり追いかけ回されたりするのは
嫌だけどね…。
さあ、あの夕日に向かって転がれー!
…あ、まだお昼だった。
―――――
暇つぶし小説
どんぐりがえるは可愛い 一回歌の生演奏を聞きたい ププッ
どんぐりがえるポーチネタ、あの後アルルさんにプレゼントしてもらえたんじゃないかと思ってます
じゃなかったら裁縫で手作りしたかも シェゾさん器用ですから
どんぐりがえるは種族の名前だから基本的に名前はないかな。
今日も森をころころ転がってる。
人間はこの姿がかわいいっていうけど、これも立派な敵から逃げるための訓練だ。
自然界は弱肉強食だからね。
でも今日はいい天気だ。
何かいいことありそう!
「あら、どんぐりがえるさん」
「ケロッ?」
転がっていると柔らかい雰囲気の人に出会った。
あ、アコール先生だ!
あれ?いつもつけているぬいぐるみがない?
「突然だけど、ホポイを見かけなかったかしら」
「ケロッケロロン」
「分からないのね。ありがとう教えてくれて」
アコール先生はなぜかボクの言葉を理解できる。
今は素直に分からないと答えたんだ。
にしてもアコール先生が持ってるあの釘が刺さってるバット何に使うんだろ。
…まあいいや、池に行ってみよう!
「ケーロケーロ♪」
ふふん!このボクの転がりにかければ池まであっという間さ!
うわっとと、池に入る前に敵を確認しなきゃ。
………どうやら大丈夫みたいだ
よーし!飛び込みっ!
「ケローン♪」
「あっケロティ兄さん!」
ん、この声はいつものあの子。
この子はボクをどうしてか生き別れの兄だと思っているんだ。
まあいじめられないし、よく遊んでるからボクはこの子が好き。
「水浴び?気持ち良さそうだね!」
「ケロロンッケロッケ!」
「あたしも入りたいなあ。でも濡れると怒られるからやめとくよ」
人間は水に濡れるのをなぜか嫌がる。
多分服、とかいうのが濡れるのがいやなのかな?
だったら着なければいいと思うんだけど。
「じゃあね!ケロティ兄さん!」
じゃあーね。
ふう、静かだ。
…水が気持ちいい。
「うふふ」
「ケロッ!!?」
な、なんだ!うわわっ降ろして!誰だボクを掴んでるのは!
「魔法薬の材料にどんぐりが100個必要ですの。このどんぐりなら手間が省けそうですわ」
なんだって!?ボクのどんぐりを取るの!?
そうは死んでもさせてたまるかあ…!!
このどんぐりはボクの大事な大事なものだ!
「ケロケロ!ププーッ!!」
「きゃあ!ちょっと暴れないでください!」
いやだってば!どんぐり掴まないでー!
「もう少し…あら?」
遠くの方で水が揺れる。
…この水音、まさか。
「ガバアアァ!」
やっぱり水ヘビだーーー!!
命の危機!に、逃げないと!
「ケロケローーー!」
力の限り暴れるとすんなり腕から抜け出せた。
今のうちに逃げ…あれ?
「なんて大きい大蛇…」
「ハシャアァァア」
ちょっと!そいつは危険だから早く逃げないと…
「その見事な皮と鱗…凛々しい目玉」
「フ、フシャッ?」
え?
「魔法薬としては充分な大きさですわ!あなたをよこしなさーい!!」
「ファッヒャアアァ!!」
…生まれて初めて水ヘビに同情できたよ。
無事は祈らないけど、今後あの女も敵の一つとして警戒しておこう。
と、いつの間にやら洞窟に来てしまった。
水晶が光ってるこの洞窟は綺麗でボクのお気に入りの場所の一つだ。
でも…確かここって…
「どんぐりがえるじゃないか?」
「ゲコッ」
うわ、やっぱり出た。
この人はここを住みかにしてる変わった人間だ。
何かにつけてボクを捕まえようとしてくるボクの天敵の一つだ。
「今日はどうしたんだ?お散歩か?」
「ケロン」
残念ながらこの人にはボクの言葉が通じない。
でも一応お散歩をしているとは答えておく。
「やっぱり可愛いなぁ…」
「ケロッ」
嫌な予感。
ボクの野性の本能がそう告げている。
「お前が…ほしいっ!!」
「ケロ!ケロロー!」
「さあ、こっちにおいで」
いきたくない!全力で近寄りたくないよ!
「シェゾ!また誰かに迷惑な発言してるの!?」
な、なんか知らないけど誰か来てくれた。
栗毛の少女だ。このヘンタイさんとお知り合いかな?
「違う!俺は…こいつがマジで欲しいのだ!」
「ふぇっ…カエル!?シェゾ…ごめんその趣味はボクもちょっとフォローできないというかなんというか」
「何を勘違いしてるんだ。俺はこの愛らしいカエルに毎日歌を歌って癒してもらいたいだけだ」
それはそれで嫌だ。
ボクはよく歌を歌うけど歌を歌うのは趣味だ。
そもそもこんな人と四六時中いるのはお断りしたい。
「でも、この子嫌がってないの?」
「そんなことないぞ。なあどんぐりがえる?」
「ケ、ケロ…」
あ、愛なのかこれは…だとしたら重たい。
ここは三十六計逃げるに如かず!逃げるぞ!
「あっ!逃げてしまった…」
「ほら、どんぐりがえるのポーチなら買ってきたから。
この間これ見て感動してたでしょ?だから今後追いかけ回すようなことやめなよ?」
「………っっ!!!」
―――――
ふぅ…ボクは普段逃げてばかりだけど今日は特に逃げたな。
おかげでまた転がりテクが上達したような気がする。
でもコロコロころりん転がるのはボク達どんぐりがえるの仕事!
明日もいっぱい転がるぞ!!
…できれば魔法薬の材料になったり追いかけ回されたりするのは
嫌だけどね…。
さあ、あの夕日に向かって転がれー!
…あ、まだお昼だった。
―――――
暇つぶし小説
どんぐりがえるは可愛い 一回歌の生演奏を聞きたい ププッ
どんぐりがえるポーチネタ、あの後アルルさんにプレゼントしてもらえたんじゃないかと思ってます
じゃなかったら裁縫で手作りしたかも シェゾさん器用ですから
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