気づいたら、いっぱいいた。
沢山いた。

風車が大きく動く。
その周りには無数の花。

その花の中に、三つの影といくつかの影。

「この世界はどうもいろんなモノが飛ばされすぎてきてないかニャ?」

アコールの腕の中で、紺色のぬいぐるみは問う。
今更とはいいつつも質問をせずにはいられなかったのだ。

「そうねぇ…あくまさんはどう思います?」
「分からないま。永く時を生きてきたが、こんな事態は初めてま。」

隣にいるあくまでも分からないらしい。
何千年生きていると聞いたが分からないのだろうか。

ポポイは不機嫌に息を漏らすと
色鮮やかで綺麗な花の先を見つめる。

その先の遠くで異世界から来たという者達が
揃って漫才を繰り広げている。

内に秘めたる力を持つ少女。
闇に生き闇に愛される闇の魔導師。
世が世なら地上最強となっていた格闘女王。
世界を壊すほどの力を持っている闇の魔王。

修行中の身である半人前の魔女に
美少女コンテスト優勝を目指す少女に
踊る魚に喋るナスに象に………

平凡と平和が全速力で逃げていきそうなほど物騒で濃い面子だ。

しかし彼らはこの世界に馴染んでいる。
恐ろしいほど似つかわしく、定着している。

「奇想天外奇妙奇天烈としかいいようがないニャ…」

なぜ彼らはこの世界に飛ばされたのか。
ドカンと一発町中を血祭りにでもあげられそうな人達ばかりなのに。

「あくまさん、前に貴方があのメダルにお願いしたこと…覚えてます?」

ポポイが疑念の刄を向けていることを察したのか、
アコールはあくまに質問をした。

あくまも、異世界の者達を見つめ答える。

「このプリンプには悪魔は入るべからず、ま」

このプリンプには悪い輩はいない。
入れないような場所になった。
あの願い後、なお異世界から別の者達が飛ばされてきている。

あくまが答えると、アコールは物腰柔らかく笑った。

「ね?だからあの人達もきっと悪い人じゃないのよ」

遠くで銀髪の青年と緑髪の青年がからかわれている。
あの中で最も強い部類に入るはずの人物が立場が弱い役になっている。

それがあまりにも似合いすぎて逆に不自然すら感じる。
それを感じたのはあくまも同じ。

「本当にそうか、ま?」
「疑ってても仕方ないニャ。何か問題を起こせば全力で叩きにいくニャ」
「…そんな物騒なことならなきゃいいわね」

三つの影は世界を見つめる。

プリンプは、世界は、これからも。
受け入れるのだろうか。異なるモノを。

―――――

ドラマCD三弾のアルルの独白聞いてたら思いついたネタ

プリンプって亜種や魔物が普通に人と共存してるから
アルル達のような存在も受け入れられるんじゃないかな
いやあ平和な街だ
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