不本意、とても言えばいいのだろうか。

今自分の下に見えるのは一人の人間。
しかも仲はさほどよくない。

「…何の真似だ」

決して穏やかではないその鋭い視線がサタンに突き刺さる。
当然だろう。
いきなり寝床に押し倒せばこうなる。

しかし意外なのがこの状況においてシェゾは微動だにせずこちらを見据えているということで。

「こういうことは遊び慣れてるのか?」
「…お前みたいな色魔と一緒にするな」

心底不機嫌な様子でいっそう強く睨まれた。
降りろ、と言ってるのだろう。
ここで素直に降りるのもいいが、それでは大した悪戯にならない。

もう少しシェゾを驚かしてみたかった。

「…っ」

細い首筋に唇を這わせると微かに身体がぴくりと震えた。
生理反応といえばそれまでだが、サタンは容赦なくシェゾをじっくり味わう。
ちゅる、ぴちゃ、と音が響くたびに肌が湿っていくだけなのにそれがとても扇情的だ。
シェゾは嫌がってあまり動かすことのできない身体を僅かに動かしている。

「おい、…いつまでやってる」
「貴様が顔を真っ赤にして善がるまで、か?」
「…気持ち悪いだろ」

確かにそれはそうかもしれない。
が、言い争うことが多いものの、サタンは別段シェゾのことが嫌いなわけでもなかった。
本当に嫌いならばとっくに殺して彼方へ葬っている。
むしろサタンはシェゾに少し興味があった。

決して悪くなく整った顔。銀色の髪。肌をあまり見せない黒い服。
全て引き裂き、快楽に歪むその姿はどんなものか。

「サ、タン…?」

気がつくとシェゾがいぶかしそうにサタンを見ていた。
いつもと違うサタンの異様な空気に無意識に気圧されているのだろう。
その様子を見て躊躇いなくサタンは紺の服をはだけさせ、身体の線を辿る。

「なっ!?」

耳をついばみ、舌を差しこんでやれば面白いほどシェゾの身体が震えた。
牙が当たるたびシェゾの息が乱れる。
流石に抵抗の素振りを見せるが、上手く組敷かれている身体はサタンの前ではもう動かない。

「はっ…冗談にしては、やりすぎだサタ、…ん、んくっ」

うるさいので口を塞ぐとシェゾは驚きに目を見開いた。
限界まで開かれた青い瞳がよく見える。
口からは意味のなさない言葉と荒い息遣いが漏れ、サタンは容赦なくシェゾの舌を絡み合わせる。

「んぅ、…ふっ…は、あぁ」

唇を離すと息を荒くし、頬を少し赤く染めたシェゾがいた。
その妖艶な姿は予想以上に旨そうだった。

「サタン、」

ここでもうやめてやるつもり毛頭ないサタンは
シェゾの身体を抱きしめ、耳元でそっと囁いた。

「お前が欲しい」

シェゾがよく言うセリフ。
意地悪く言ってやれば、その言葉の意味を理解してかシェゾは身を硬くした。
僅かに怯えが混じる信じられないようなものを見る表情でサタンを見るが、
その身体はすでにサタンに抱きしめられ逃げることはできない。

微かに、ベッドの軋む音がした。

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R15です。閲覧には注意!
という注意書きは文頭におかないと意味がないね((
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