「わあー…」

早朝、昨日まで全く無かった雪の世界が広がっていた。
いつも寝ぼすけ気味のアミティが休日に朝早くに起きたのも雪が振っていたからだ。

アミティはしばらく窓辺で雪を眺めた後、急いでいつもより暖かい服に着替え、外に飛び出して行った。

毎年見ている光景。にも関わらず雪が降るといつも心が躍る。
走っていくと、公園の広場に辿り着いた。
広場には当然人がいなかった。

「やったー!あたしが一番乗り!」

アミティはあちこち走り回る。白い地面が足跡で埋まっていく。
いつもより走りにくいこの感覚もアミティにとってはとても楽しかった。
あまりにも面白くなったアミティは雪にどさっと倒れこむ。

不思議と寒くは無かった。

アミティは呆然と空を見る。
このまま吸い込まれてしまいそうな綺麗な雪に目が釘付けになる。
雪には何か不思議な魔の力があるのではないか、と考えてしまうほどだった。

冷たい冬の風の音。それに混じって、小さい足音がだんだん大きくなる。

「アミティ、何でこんなところで寝てるの?」

空を映し出していた視界にシグが顔を覗かせる。
アミティはゆっくり起き上がった。

「おはよう、シグ!ちょっと雪を眺めてたんだよ」
「ふうん…」

納得したのかしていないのか分からない表情でシグはアミティの隣にしゃがみこんだ。

しんしんと降り積もる雪の中、シグも雪の空を見つめる。
アミティはその様子を見て呟く。

「シグって、雪が似合うね。」
「そうかな」
「うん!何かシグって雪が似合う。全体的に青いからかな?」

どの部分がとは的確に言えないが、雪を見つめるシグは絵になっていた。
そんな感じの事を言われたシグも、アミティの方を向き一言呟く。

「アミティも雪似合う」
「えっ本当?」
「うん」

広場の真ん中で雪に包まれている二人はどちらも違和感がなかった。
光も闇も何もかも優しく包み込むような白い世界。

「雪って…何にでも合って、優しくて平等なんじゃないかな?」
「そうかも」

時に吹雪となって困らせることもあるけど、雪は基本的に平等なのかもしれない。
そんなことを考えながらアミティは勢いよく立ち上がる。

「やっほー!ラフィーナ!」

公園の入り口の方角にラフィーナがこちらへ走って来るのが見えた

「ううっ!先を越されましたわ!」
「えへへっ今日は早起き出来たんだ♪」
「その早起きが冬の間続けばいいんですけど」
「それは無理かなあ」

今日は休日。今年冬に入っての初めての雪。
いつも寝ている朝も今日くらいは早起きした方が得なんじゃないか。
そんなことを思いながらアミティは他の二人と一緒に雪と一緒に遊びに走っていく。

雪がしんしんと降り積もる中、広場には3つの足跡が続いていた。

――――――――――――――――――――――――――――

冬は寒いです、嫌です!
正直言ってしまうと私、雪の日はコタツで丸くなっているのが大好きです

だから私の中ではクルークやリデルは家で本を読んでいそうな感じがあります
で、そんな二人を外に連れ出すアミティ…

フィバキャラのみんなは基本的に仲が良くていいね!
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